開設6周年を迎えて 平成から新しい時代へ
朝日のあたる家は、朝日新聞厚生文化事業団のご支援の下、被災地支援及び地域コミュニティの拠点となるよう開設し、本年2月で6周年を迎えます。そして4月には、平成の時代が終わります。よい機会ですので、改めて平成の時代はなんであったのか、この場をお借りして考えてみたいと思います。
平成はバブル期から始まったとみてよいでしょう。平成の始めには昭和の復興期に見られた成長を国民が享受し、いつまでも成長が続くものと思われました。こうした時代背景の中、少子高齢化が問題となり、社会保障費は膨張し借金を積み重ねることになりました。それも、1970年代にはすでに人口減少社会が予想されていたにもかかわらずです。全国的に、多くの地域で建築物が建てられました。結果、今はどうでしょう、利用する人がなく、ほこりにまみれているのが実情です。このような時代の中、東日本大震災が起こります。また、全国の様ざまなところで災害が頻発しています。これは日本に限らず、世界の各地でも同様です。
人間の生活が便利になるには、電気や移動手段の自動車、その他生活に係る様ざまな産業が求められます。結果、環境が汚染されていることは、周知の事実です。こうしたことが地球環境を変え地球に変動をもたらしているのです。こうした事態を止める力を人間の理性が持っているのか、改めて問われています。今後普及するであろうAIはこれを止めることはできません。
次なる時代には、人間の尊厳、個人の理性に基づいてつくり上げていく社会が必要です。個人の意識の変革が政治を変え、地域を変え、新しい社会構造を作り変えていかなければならないと感じます。
そのためには、市民一人ひとりが考え、主役となって活動していくことが不可欠です。朝日のあたる家は、みなさまの活動を支え、ともに歩みながら、陸前高田市の町づくりの中で様々な役割を果たしていかなくてはなりません。是非とも、これからも継続したご支援ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。
NPO法人 福祉フォーラム・東北
会長 新田 國夫